組織横断機能 安全・渉外・広報・法務
SAFETY · EXTERNAL RELATIONS · COMMUNICATIONS · LEGAL災害対応組織は、施工力だけでは成立しません。安全管理、関係機関との調整、
情報発信、法令遵守と説明責任——これら横断機能が整って初めて、
各ユニットが本来任務に集中できます。
SIRTは、安全管理・渉外・広報・法務・コンプライアンスを明確に位置づけ、
平時から有事まで一貫して運用できるよう、規程の整備を進めています。
RIRU・LOG・TSP等の各ユニットが現場で活動する一方、組織全体として
「安全を確保し、関係機関と信頼関係を築き、正確に情報を伝え、法令と契約を守る」役割が必要です。
以下の4機能は、CEO直轄の本部幕僚室として置き、
COO・各部門統括と連携して運用します。
発災時は、現場の指揮官(IC)を支える指揮幕僚として配置します。
現場の人命と二次災害防止。停止判断・記録・教育を統括
自治体・防災機関・インフラ事業者との窓口と事前協定
正確・迅速・抑制された情報発信と説明責任
契約・許認可・個人情報・利益相反の管理
| 機能 | 平時(本部幕僚室) | 発災時(指揮系統での位置) |
|---|---|---|
| 安全管理 | 安全管理官 | 安全管理担当(ICの直下) |
| 渉外 | 連絡官(国土レジリエンス本部〈NRI〉が兼務) | 連絡調整担当(ICの直下)。現場の窓口はOCC |
| 広報 | 広報官 | 広報・情報担当(ICの直下) |
| 法務・コンプライアンス | 法務・コンプライアンス担当 | 法務・コンプライアンス(ICの直下) |
本部幕僚室は、兼務で構成します。専門ユニットではなく、専門ユニットの数には含みません。
基本方針
緊急時であっても、安全管理と法令遵守を省略しません。任務の優先順位と安全判断・法令判断を混同せず、事前に定めた権限と手続に従って運用します。各ユニットは現場の施工・支援を担い、横断機能は組織全体の信頼性を支えます。
独立性の確保
安全管理と法務・コンプライアンスは、任務の優先順位から独立して、作業の停止や是正を求める権限を持ちます。重大な事項は、CEOへ直接報告できる経路を確保します。
災害現場では、二次災害・重機事故・疲労・通信途絶など、
通常の建設現場とは異なるリスクが重なります。
SIRTの安全管理は、
「二人一組」「事前確認」「資格に基づく分担」
「停止判断の明確化」「記録と教育」を柱とします。

操縦者と監視者、作業者と安全誘導者を分け、単独行動を避けます。夜間・悪天候・停電下でも原則を維持します。例外が必要な場合は、現場責任者と安全管理担当の合意と記録を残します。
展開前に可能な範囲で、地形、二次災害リスク、進入経路、電波・通信環境、埋設物・文化財の有無を確認し、作業計画に反映します。ロケハン結果は共有様式で記録します。
重機運転、玉掛け、高所作業、クレーン等は、必要な資格・技能を有する者が担当します。資格外の作業は実施しません。資格一覧は人事・安全管理で一元管理します。
安全上の作業停止判断は、事前に定めた安全管理権限者および現場責任者が行います。任務の優先順位が安全判断を無効化することはありません。停止後の再開条件も明示します。
気象警報、余震、水位の上昇、斜面の変状など、二次災害の兆候に応じた退避の基準を、あらかじめ定めます。退避の場所、合図、点呼の方法を、展開前に全員で確認します。
熱中症・疲労・睡眠の管理、休憩と交代の計画に加え、惨事ストレスへの配慮を行います。参集・安否・休養の支援は、OCCの隊員支援と連携します。
| 区分 | 内容 | 主な成果物・記録 |
|---|---|---|
| 計画・基準 | 安全方針、現場安全基準、二人一組ルール、停止判断基準、保護具・装備基準 | 安全管理規程、チェックリスト、教育資料 |
| 出動前 | ロケハン支援、リスク洗い出し、資格・配置の確認、装備・通信の確認 | 事前安全見積、人員・資格配置表 |
| 現場運用 | 朝礼・KY、監視配置、異常時の停止・避難、熱中症・疲労の管理、ヒヤリハットの収集 | 日報、ヒヤリハット報告、是正記録 |
| 事後・改善 | 事故・ヒヤリハットの原因分析、再発防止、教育への反映、規程の見直し | 事故報告書、改善計画、教育実施記録 |
重大な安全事案は、現場から安全管理担当およびCOO(または指定の権限者)へ速やかに報告し、必要に応じてCEOへ報告する経路を定めます。報告を遅らせる・隠す行為は禁止します。労働災害が発生した場合は、労働安全衛生法に基づく報告(労働者死傷病報告など)と、協定先・関係機関への連絡を、法務・安全管理が確認のうえ、速やかに行います。
災害対応は、自治体、防災関係機関、インフラ事業者、
他の民間事業者との調整なしには成立しません。
渉外は、平時の事前協定・信頼構築から、
有事の窓口・受入れ調整までを担う機能です。

都道府県・市区町村との災害時応援協定の締結に向けた協議を進めます。協定は平時の発注を約束するものではなく、契約は各自治体の規則と手続に従います。協定の範囲・手続・連絡先を整理し、更新します。
発災時、自治体・防災機関からの要請・照会の一次窓口を明確にし、OCC・各ユニットへの振分けと回答の整合を取ります。
消防・警察・自衛隊・他民間との現場での役割境界を、事前に可能な範囲で共有し、競合・重複を減らします。
九州7県(沖縄を除く)を中心に、都道府県防災担当、主要市区町村、国土交通省出先、インフラ事業者(道路・電力・通信等)をリスト化し、協定・訓練の優先度を設定します。
災害時応援協定案、契約に必要な提出書類、実績・資格・装備の説明資料を整備し、相手方の様式と規程に沿った形で協議します。
可能な範囲で図上訓練・実動訓練への参加、または単独説明会を実施し、連絡経路と役割分担を実際に確認します。
担当者異動に備え、連絡先と手続の更新を定期的に行い、有事に「誰に・何を・どの様式で」が即座に分かる状態を保ちます。
口頭要請も受け付けつつ、後から様式で補完します。内容・場所・期限・優先度を整理し、OCCおよび該当ユニットへ伝達。回答は渉外または指定窓口から一本化します。
他機関との境界、進入経路、作業区域、報道対応の窓口などを、現場指揮官と安全管理と連携して調整します。渉外が施工指揮を奪うことはありません。
渉外は「営業」ではなく、信頼と手続の基盤をつくる機能です。過大な約束や、権限を超えた受諾は行いません。受諾可能な範囲は、COOおよび関係部門と事前に共有した基準に従います。自治体などへの働きかけは、正式な窓口を通じて行い、議員や職員等を介した紹介・働きかけは行いません。
災害対応組織の広報は、宣伝ではなく
「正確・迅速・抑制された情報発信」と「説明責任」が中心です。
誤情報や過剰な演出は、関係機関との信頼と現場の安全を損ないます。

未確認情報、推測、他機関の活動の評価は発信しません。事実関係は、現場・OCC・安全管理と照合したうえで発信します。
被災者・遺族の尊厳、二次被害につながる情報、関係機関の作戦・配置に支障をきたす情報は扱いません。撮影・公開の可否は事前に基準を定めます。
報道機関・SNS・自治体広報からの照会は、広報担当(または指定窓口)に集約します。現場隊員が独自に取材対応することを原則禁止します。
発信内容・時刻・根拠を記録し、事後の照会や検証に備えます。訂正が必要な場合は、速やかに訂正し、訂正である旨を明示します。
根拠を示せない最上級・断定の表現、他者との比較、数値の誇張は用いません。成果や能力は、事実と実績の範囲で、条件を添えて伝えます。
活動内容、現場の写真、位置情報を、個人のSNS等へ投稿する場合も、公開の可否の基準に従います。被災者や活動の安全に影響するおそれがある投稿は行いません。
発信してよい情報の例 — 出動の有無(協定・契約に基づく範囲)、一般的な活動内容(啓開、仮設電源等)、安全に関する注意喚起(関係機関と調整のうえ)。
発信しない情報の例 — 未確認の被害状況、他機関の作戦・配置、個人が特定される被災者情報、過大な成果の誇張、競合他社の批判。
緊急随意契約、事前協定、建設業法、労働安全衛生、個人情報、利益相反——
災害対応であっても、適用される法令と契約上の義務は変わりません。
法務・コンプライアンスは、契約・許認可・記録・利益相反を組織として管理する機能です。

災害時応援協定、緊急随意契約、通常の請負契約の条項確認、権限の範囲、責任分界、損害賠償・保険の整理。自治体の契約規則と手続を確認し、締結前の法的確認と、締結後の保管・更新を担います。
建設業許可、UAV飛行許可・承認、無線局の免許・登録、小型無人機等飛行禁止法の対象施設の確認、道路使用・占用、危険物取扱い等、業務に必要な許認可の取得・更新・現場での掲示・携行を管理します。警備業務は、警備業法の認定を受けた主体が実施します。
労働安全衛生法に基づく措置、運転者・作業員の勤務時間・休憩、健康診断・教育の実施状況を、安全管理と連携して確認します。
土地所有者、被災者、職員の個人情報の目的限定利用、差別につながり得る情報の取扱い、関係機関から預かった情報の管理を規程化します。自治体から預かる情報は、協定・契約の条件に従って管理します。
調査・設計と施工の分離(同一案件での入札参加の制限)の確認、社内の情報遮断、協定に基づく訓練や試験計測など無償提供の扱いの整理、契約・入札に関する不当な働きかけの禁止を、規程化します。
協力会社・用船・レンタルなどの契約について、建設業法その他の関係法令に沿った条件、安全・保険・守秘の条件、反社会的勢力の排除条項を確認します。
法令違反や重大な規程違反の疑いがある場合、職員が報復を恐れず相談・通報できる経路を設けます。受付窓口、調査の手順、是正と報告の流れを規程で定めます。通報したことを理由とする不利益な取扱いは禁止し、公益通報者保護法の趣旨に沿って運用します。社外の窓口(弁護士等)の設置は、規程の制定にあわせて検討します。
軽微な疑問や判断に迷う事案は、直属の上長または法務・コンプライアンス担当へ相談します。
重大な違反の疑いは、指定の通報窓口へ。匿名を可能とする場合はその旨を明示します。
事実確認のうえ是正し、再発防止を講じます。重大事案はCOO・CEOへ報告し、必要な範囲で、関係機関など外部へも報告します。
説明責任について
SIRTは、自治体・関係機関から委託・協定に基づき活動する以上、活動内容・安全上の判断・契約の履行状況について説明できる状態を保ちます。法務・コンプライアンスは、そのための契約・記録・手続の基盤を整える役割を担います。
安全管理・渉外・広報・法務は、互いに独立しつつ、重大事案では必ず連携します。
任務の優先順位(OCC等)と、安全・法令・対外発信の判断を混同しないことが重要です。

| 判断事項 | 主たる責任 | 連携先 |
|---|---|---|
| 任務の優先順位・投入先 | OCC等の作戦権限者 | 渉外(要請内容)、LOG(資源制約) |
| 安全上の作業停止 | 安全管理権限者・現場責任者 | OCC(影響の共有)、法務(必要な場合) |
| 対外発表・取材対応 | 広報 | OCC・安全管理・渉外(事実確認) |
| 協定・契約の締結 | 契約権限者(法務が確認) | 渉外(協議窓口)、COO |
| 資格外・許可外の作業要求 | 法務・安全管理(拒否を含む) | 該当ユニット、OCC |
| 活動からの退避・撤退 | 安全管理権限者・現場責任者(OCCへ即時報告) | OCC(再配置)、LOG(回収・輸送) |
| 重大事案の公表 | 広報(関係機関への報告後) | 法務・安全管理(協議)、COO・CEO |
| 通報・相談への対応 | 法務・コンプライアンス(独立して調査) | COO・CEO(重大事案)、必要に応じて外部の専門家 |
緊急時に即時決定できる範囲と、事後報告・承認が必要な範囲を、各機能の規程で明示します。権限の曖昧さが、過大な約束や安全の後回しにつながることを防ぎます。
安全管理規程、事前協定、広報対応、契約・コンプライアンスに関するお問い合わせは、
下記のフォームからご連絡ください。組織としての方針と手続をご説明します。